夫リンパ球移植(免疫療法)は、習慣性流産の治療として行われています。
習慣性流産は初期流産を連続3回以上繰り返すことをいい、習慣性流産を引き起こす原因のうち50〜60%が原因不明ですが、そのうち半数近くが免疫異常に起因すると言われています。
通常では体内に異物(抗原)が浸入した場合、その異物に対して免疫反応を引き起こし拒絶する仕組みになっています。しかし、正常妊娠の場合、母体は受精卵や胎児、胎盤などを異物として認識した結果ブロッキング抗体を産生し、この抗体が母体の拒絶反応を防止していると考えられるので、受精卵等は父親由来の抗原を持っているにもかかわらず、母体はそれを拒絶する事無く妊娠を継続させていきます。
しかし、習慣性流産の患者夫婦間では、抗原の型が似ているためお互いを異物として認識できず、ブロッキング抗体が産生されません。これが流産の原因ではないかと考えられています。
そこで、母体の血中にブロッキング抗体を産生させ流産を防止する目的で夫のリンパ球を接種する免疫療法がおこなわれるようになりました。
●治療の対象
原因不明の初期流産を連続3回以上繰り返した方
●方法
妊娠前:2〜3週間ごとに3回接種
妊娠後:1回接種
●副作用
局部の発赤はほぼ全例に見られ、まれに軽度の疼痛、水疱形成が見られますが1週間程度で消退します。
●効果の判定
夫婦間リンパ球混合培養試験
●注意
夫からのウィルス感染を防止する為、肝炎ウィルス(B型、C型)、梅毒、ヒトT細胞白血病ウィルス(HTLV−1)、エイズウィルス(HIV)の検査は必須です。
●費用
1回接種に付き2万円(実費) |